MINICHAMPS 1/43 Volkswagen T5 Transporter 2003

今回は、T5のトランスポーターです。

日本ではこの前の型のT4がヴァナゴンの名前で正規輸入されたようですが、T5からは日本には導入されていません。しかし日本でこの型や次の型にも並行輸入で乗られている方が時々いらっしゃるので、日本でもそこそこ知名度がある車種なのではないでしょうか。

フォルクスワーゲンのトランスポーターシリーズは商用モデルから乗用モデルまでラインナップがあり、T5では商用モデルのトランスポーター、乗用モデルのカラベルとマルチバン、キャンプ仕様のカリフォルニアがラインナップされています。日本で時々見かけるのもカラベル以上のモデルですね。

ミニカーはミニチャンプス製で、ミニチャンプスのT5はこのトランスポーターの他に、マルチバンとカリフォルニア、後期型のカリフォルニアがモデル化されている様です。並べてみたいラインナップですが、今から集めるのは苦労しそうです。

大きめのヘッドライトには、しっかりと奥行きがあるインナー部品が組み込まれています。ライトカバーの取り付けピンはヘッドライトのバルブの位置にあり、肉眼で見ればそこまで気にならないようになっています。

フロントエンブレムは立体的な造形がなされており、さらにメッキ仕上げも施されています。

このクルマ、バンパー下部のフォグランプ取り付け部の間を繋ぐようにフィン状のデザインが入っていますが、実車画像を見たところ、これはあくまで装飾であり穴は開いていないようです。ミニカーのモールドが浅めなのは決して塗装で埋まっているとかではなくて、実車の通りに再現されているのでした。無塗装バンパーの質感がリアルです。

Bピラー以降が完全に荷室になっていて窓が無い仕様(kastenwagen)ですが、側面から眺めても見どころがあります。ハブキャップのセンターには、これまたメッキ仕上げのエンブレムが。よく似合っているホイールはただの鉄チンではなく、デザインスチールホイールでしょうか。モデル化されたのはちょっとだけ豪華な仕様なのかもしれません。

ソリッドながら少し深みもある絶妙なボディカラーが、塗装面積の大きいボディに映えます。そしてドアハンドルは別部品でシャープな仕上がり。小さい部品ですがしっかりと塗装されており、バンパーやサイドミラーと質感が合わせられています。しっかりと鍵穴まで再現されていることで、乗用モデルと違いスライドドアにも鍵穴が設けられている点が再現されています。

そのスライドドアの内側もしっかりと再現されています。リアガラスから覗くと壁面まで再現されており、スライドドア側にはドアの表現もあります。また、フロア形状もリアルで、スライドドア側のステップまで立体的に再現されているのには驚きます。

見えづらい荷室でもしっかり再現してあるので当然ですが、キャビンの内装も手の込んだ仕上がりです。Aピラーは塗装され、Bピラーや天井は内張り付きでの再現です。外からも立体的な室内灯部が確認できます。

ダークグレーの内装は成形色ではなく塗装と思われます。シートからダッシュボードまで非常に良い質感です。実用性が高そうなダッシュボードは、シャープな造形が映えていて非常に良い雰囲気です。

車体底面も立体的です。スライドドア側のみ低められ、その他はマフラーや燃料タンクが収まるように高くなっているフロア形状がきっちり再現されています。また、リアサスのスタビライザーなども確認できます。他にも、フロントのタイヤハウスには操舵するためのスペースが確保されているなど、非常に実車的な見ごたえのあるシャシーです。

 

 

窓のないバンなので、パッケージ状態で見ると1/43を購入するのはよほどの実車ファンではないかと思ってしまうモデルです。しかし手に取ってみると、ほとんど見えない荷室の再現にも運転席と同じくらいの熱量をかけて設計されているなど、当時の1/43ミニカーの盛り上がりが感じられるモデルでした。

箱から取り出す、台座から外す楽しみがあるモデルは良いですね。