スズキ特注モデル 1/43 Suzuki Vitara 2015

今回は、ビターラ(日本名エスクード)の前期型です。

イメージカラーの、ターコイズにブラックルーフの仕様でモデル化。初めは挑戦的な選択だと感じましたが、見慣れると良い色ですね。

このミニカーはスズキ特注モデルとして製造されたものです。

以前、マイナーチェンジ後のモデルを本ブログで取り上げ、素晴らしい出来のモデルでした。

c6diecastblog.hatenablog.jp

こちらの前期型も、同じく非常に良い雰囲気のモデルです。

今回はその改良型にも登場してもらい、比較していきたいと思います。マイナーチェンジで手が加えられた外観を手直ししただけかと思いきや、よく見るとそれぞれのモデルで表現に違いが見られるのです・・・

 

初めにパッケージの外からでも目に付いたのは、初期型はブレーキが省略されていること。これだけしっかりしたミニカーなのに、ブレーキが付いていないのはもったいないような。

ブレーキの有無の差はあるものの、足元の雰囲気はどちらも良いです。部分切削ホイールの表現は、塗り分け位置が正確で切削加工の表現としての違和感が無く、非常に引き締まっている印象です。また、タイヤの形状も良いと思います。

部品構成にも違いが見られます。初期型はボディと一体になってるのに対し、改良型はフロントバンパーがプラスチック製の別部品になっています。

フロントマスクの造形は、比較するとプラ製バンパーの改良型の方が若干シャープにも見えますが、初期型も十分に良い造形です。ただ、ヘッドライトの雰囲気は改良型に軍配が上がります。内部のリフレクター等がライト内いっぱいの大きさで造形されていることで、よりはっきりとした造形になっています。この点は、部品構成の制約などの理由で、プラ製バンパーの方が有利なのでしょうか。

エンブレムの表現も異なり、初期型は塗装、改良型はメタルでの表現です。初期型の立体感と改良型の金属のカッコよさ、それぞれに魅力があります。

窓の表現も両者で異なります。初期型は窓枠(接着部の黒塗り)は内塗りですが、改良型は外塗りになっています。また、改良型の塗り分け位置は簡素化されていて、ルームミラー部の塗り分けも省略されています。この部分の表現は、初期型の方が圧倒的に仕上げが良いですね。

市販のミニカーでも、窓枠の表現の手法には内塗りと外塗りのどちらの手法も見られますが、個人的には内塗りの方が見栄えが良くて好きです。

よく見ると、Aピラー根本の、フェンダーとボンネットの間のダクト状の部分の形状も違いますね。実車では大きな変更は見られないのですが。

クォーターウィンドウの表現も異なります。というか、よく見るとドア分割線やドアガラスの縁の太さも違うような。

リアガラスも、初期型は内塗りで美しいです。エンブレムもフロント同様の表現の違いが見られます。

また。ナンバーガーニッシュとリアガラスの間の部品構成が異なっています。実車の改良ではこの部分の形状変更は無いように見えるのですが。

 

内装は両者同じ様な仕上げですが、ハンドルのセンターのエンブレムは初期型が立体的です。また、ナビのサイズの変更が再現されているのも芸が細かいです。

シャシーの表現は、両者で大きく異なります。初期型は全体的にモールドが入っていますが、改良型はほぼ真っ平の裏板に4WDであることが分かるモールドが入っているという仕上げです。初期型の方が1/43モデルとして標準的な仕上がりで良いのですが、改良型の分かりやすく強調された4WDの駆動系も面白い表現だと思います。リアデフの前にユニバーサルジョイントの形状がシャープに表現されているなど凝った仕上がりです。

 

ここまで改良前後の実車をモデル化したミニカー2台を比較しました。見た感じでは全体的にデフォルメの差は見られず同じ様なプロポーションをしているため、前期型の金型を手直しして後期型をモデル化したと考えるのが自然ではないかと思います。

しかし、実際に手に取って比べてみると、妙に細かい違いが見られました。ここで浮かんでくる疑問が、両者の金型に関連性はあるのかどうかということ。そのような目で改めてモデルを見比べると・・・

窓パーツのボディーへの接合のための溶着のダボの数が違ったり

ボディーの一部の肉厚が明らかに異なっていたりといった違いにも気付きます。

ここまで細部が異なる箇所が多いとなると別金型の可能性もあるのではないでしょうか・・・金型のプロではないので分からないのですが。

どちらにせよ、改良前後のモデルが同じデフォルメでモデル化されているのは嬉しいです。ミニカーだと、共通のボディの車なのに並べると全然雰囲気が違っていて、共存が難しいモデルも存在しますからね。

改良前後では、テールランプ内部の配置だけではなく、カバーの3次元的形状も変更されていたのですね。地味な変更のようですが、印象が大きく変わっています。これが感じられるのも、同じデフォルメだから。

 

どちらも非常に良い仕上がりのモデルですが、改良型と同様、初期型のパッケージや台座、シャシー裏を見ても製造元の記載はありません。どちらも非常に安定した仕上がりで、ミニカー制作の経験があるメーカーが担当したのは間違いないと思うのですが。

果たして、この2台は同じメーカーが制作した物なのか。共通する仕上げも見られることから同メーカーだと推測は出来ますが

 

真実は関係者の方々のみぞ知る・・・・・