Almost Real 1/43 Mercedes-Maybach S-Class (W222) 2016 & 2019
今回は、オールモストリアルのマイバッハSクラスです。

同ブランドからは、前期型と後期型の両方がモデル化されています。
後期型を先に入手していたのですが、あまりに素晴らしい出来に惚れ込み、後から前期型も購入しました。
後期型を先に購入したきっかけは、このカラーリング。

アラゴナイトシルバーとアンスラサイトブルーのツートン。それぞれの色を引き立たせる非常に相性の良い組み合わせに一目惚れして、それまで手を出したことがなかった価格帯のモデルでしたが迷わず購入しました。

分割線の位置ではなく、ボディパネルの途中で塗り分けられたツートンカラーのミニカーは初入手。濃淡の差が大きい組み合わせですが、境界は非常に綺麗に仕上がっています。段差なども見受けられず、非常に丁寧な工程が重ねられていることが想像できます。

個人的には前期型のフロントマスクが好きなのですが、このカラーリングが似合うのはこちらのフロントマスクだと思います。前期型よりもメッキパーツが増えて豪華さが演出されている印象ですが、このカラーリングにおいては、優雅な雰囲気のシルバーと淡く深いブルーを綺麗に繋ぐ役目を担っていると思います。非常に完成度の高い仕様だと思います。
グリルについては、実車の写真と比較すると本物は全てメッキなのに対し、モデルでは縦桟のみシルバー塗装になっています。実車と異なる仕様ではあるのですが、ただの考証ミスではないと思います。実車が太さの違いでメリハリを持たせていることをこのスケールに落とし込む手法として、太さではなく輝き具合で表現したのではないでしょうか。違うアプローチで近いニュアンスを持たせる秀逸な表現だと思います。ミニチュアでも実車に負けない上質さを醸し出しています。
前期型ではイリジウムシルバーを選択。

スッキリしたフロントマスクにシルバーがよく似合います。個人的にはメルセデスの口角が持ち上げられた表情が好きです。
滑らかなメタリック粒子のムラのないシルバーのおかげで、ボディ造形を思う存分味わうことができます。ツートンでは持ち上げられたショルダーラインが強調されていましたが、シルバー単色では後ろ下がりのプレスラインがよく見えます。優雅なデザインです。シンプルなメッキホイールがよく似合います。
モデルでは、前期と後期の違いがしっかりと表現されています。

テールランプの作り込みにこだわりが感じられます。立体的なランプ内部は、構造の違いはもちろんですが、さらに赤の色の印象の違いまで再現されています。赤ければ何でもいいというミニカーも多いですが、これは素晴らしい表現。
メタル製のエンブレムは仕様が変わっています。前期型は非常に薄いものが使用されていますが、後期型では厚みがあるものに変更され、デカールのクリアー部分も無くなり、より見栄えが良い仕上がりになっています。
窓も非常に美しいモデルです。

成形品質が非常に高く、艶が美しいです。サイドウィンドウの緩やかな曲面も正確に再現されています。他の窓も同様で、フロントガラスからガラスルーフにかけての曲面が美しいです。この美しさが味わえるのは、成形品質の高さと窓枠部分に施される黒塗りが窓の内側から施されていることの相乗効果でしょう。これを外塗りで表現するモデルもありますが、どれだけ艶のある塗装を施しても段差や質感の差が生じてしまいます。
非常に高い品質で成形された窓からは、大幅に変更された内装が歪まずによく見えます。

内装は全面塗装され、非常に質感が良いです。

内装はシートやダッシュボードだけではなく、ピラーや天井の内張まで再現されているフルトリム仕様です。マイバッハにのみ装備されるクォーターウィンドウの周囲にも、しっかりと内装が表現されています。また、Aピラーも内側まで美しい造形と塗装が施されているのは特筆すべき点です。Bピラー以降に内張りがあるモデルはある程度存在するのですが、Aピラーまで同様の仕上げが施されているモデルはダイキャストではほとんどありません。運転席を覗く際にはAピラーも視界に入ると思うのですが、省略せざるを得ない製造上の問題などがあるのでしょうか。

このピラーの表現には惚れ惚れします。一切歪みのない窓も相まって、まるで実車の様。ピラーとドアサッシュの分割線も表現されていて、思わずニヤッとさせられます。

地上高は高くなく、リアバンパーもあまり上がっていない車ですが、それでも下回りまで抜かりありません。一枚板の裏板ではなく、別部品が用いられて非常に立体的な仕上がりです。ロアアームだけではなく、サブフレーム接合部やマフラー遮熱版など、台座から降ろさないのはもったいないほどの仕上がりです。高級感がある化粧箱や台座から、台座からは降ろさないことを前提に制作されていると思っていたので予想外でした。そういえば公式FaceBookには、1/18のSクラスのボンネットマスコットを引っ張り回す動画が投稿されていたことを思い出しました。
オールモストリアルのマイバッハSクラスは、ダイキャストモデルの究極と言っても過言ではない仕上がりだと思います。非常に情報量が多く、何年眺めていても飽きないミニカーです。
オールモストリアルというと、最近は国産名車プレミアムコレクションのモデルの製造を担っています。あちらのモデルでも、窓の成形精度や組み立て品質などの美点が引き継がれています。
ただそれとは別に、フルトリムの内装や立体的な車体底面などを備えたこのマイバッハSクラスと同等の水準のモデルもまた見たいと思ってしまいます。