Abrex 1/43 Skoda Superb Combi (2009)

今回はチェコの自動車メーカー、シュコダのSperbです。combiはステーションワゴンを意味します。

日本に導入されていない車だけに公式な日本語表記が存在せず、発音に迷います。国によってはスペルブと発音している映像もありますし、本国ではシュパーブと言った方が通じるというお話もあったり・・・そもそもシュコダなのかスコダなのか。綴りを見るとスコダな気もしますが。

発音の話はこのくらいにしておいて...Superbという車種は、日本でもお馴染みのパサート等と共通のプラットフォームを用いる車で、ホイールベースパサートより少し長く設定されている様です。その分、後席足元も広く、チェコでは大統領専用車に採用されたり、ロングホイールベースの需要が高い中国市場でも販売されていたりするようです。今回のモデルは2代目で、B6/B7のパサート等と共通プラットフォームです。

Combiはステーションワゴンを表しています。伸びやかなサイドビューが非常に美しいです。

Dピラーが弧を描いた形状だとクラシカルな感じになりがちですが、このクルマはそちらに振りすぎておらず、絶妙にモダンな雰囲気が感じられます。

ミニカーは、本国チェコのAbrex社の製品です。おそらくシュコダの車だけをモデル化しているメーカーで、公式サイトにアクセスすると今でも現行のシュコダ車をモデル化していることが確認できます。

このメーカーのミニカーを手にしたのはこのモデルが初でしたが、ミニカーの仕上がりはとても良いです。正確なボディラインをつくり出している窓や、歪みのないルーフレールが美しいです。また、サイドミラーが軟質樹脂で成形されている点は嬉しい配慮です。軟質樹脂でも質感はバッチリです。

フロントマスクも美しい仕上がりです。グリル開口部はすべて別部品がはめ込まれています。パーツの精度も高く、特に上部のグリルはメッキの枠に黒のグリルを嵌めるという複雑な構成ですが、粗が見当たらない綺麗な仕上がりです。

フロントマスクの印象を形成しているヘッドライトウォッシャーはヘッドライトインナー部品の延長ですが、違和感なく正確に部品が合っています。なおかつ内部構造の再現も抜かりなく、内側のマルチリフレクターの灯室の光の反射がリアルです。

比較的シンプルながら、美しく味わい深いリアデザイン。こちらも非常に雰囲気ある再現です。エンブレムの立体感やリアバンパーの張り出し、シャープなプレスラインなど、メリハリのある良い造形です。テールランプ内部はあっさりした仕上げですが、ズレ無く正確に塗り分けられたレンズによって引き締まった印象です。

内装もダッシュボード等、雰囲気ある彩色や造形がなされています。

シャシーの表現も立体的で、リアサスペンションのロアアームや燃料タンクなどの形状がよく分かります。FF仕様をモデル化していることもしっかり確認できます。

ブレーキを再現しているパーツが少し大きく感じますが、このモデルは丁寧なことにシャシーに接着されています。リアルさは多少損なわれているかもしれませんが、手に取った際にパーツがカタカタ鳴らないため質感の向上に役立っています。メーカーのこだわりが感じられる部分です。

 

 

私はこのクルマが非常に好きです。とても品が良い印象でありながら、低くワイドに構え、少しハンサムさを纏った顔つきに一目惚れしました。フロント以外も、どの角度から眺めても非常に美しい車。本気で憧れる車です。

今回のモデルは箱無しでの入手でしたが、いずれ箱付きでも入手してみたいです。箱から得られる情報も、時として興味深いものです。